「まだ大丈夫」が危ない!
熱中症から身を守るために知っておきたいこと
最高気温が40℃以上の「酷暑日」という言葉が新しくできた(2026年4月)ように、近年では毎年のように夏は酷暑となり、多くの方が熱中症で救急搬送されニュースになっています。
「まだ大丈夫」「水分はさっき飲んだから」——そのような油断が、熱中症を重症化させてしまうことがあります。
熱中症はじわじわ進む
熱中症の怖いところは、「気づきにくさ」にあります。体が少しずつ水分を失い、体温の調節が追いつかなくなっていく過程では、本人がほとんど自覚症状を感じないことも少なくありません。
屋外での作業や運動中だけでなく、風通しの悪い室内でエアコンを使わずに過ごしているだけでも起こります。「部屋にいるから安心」は禁物です。
「のどが渇いていない」は、実はすでに脱水が始まっているサインかもしれません。
症状の重さは3段階
熱中症の症状は軽いものから命に関わるものまで、大きく3段階に分けられます。
| I度(軽症) | II度(中等症) | III度(重症) |
|---|---|---|
| めまい・立ちくらみ・筋肉のこむら返り・大量の汗 | 頭痛・吐き気・嘔吐・強い倦怠感・集中力の低下 | 意識障害・けいれん・発熱(高体温)・歩行がフラフラ |
I度の段階では「少し疲れただけかな」と思いがちです。しかし適切な対処をしないと、短時間でII度・III度へ進んでしまうことがあります。軽い症状でも、涼しい場所で休んで水分を補給することが大切です。
こんなときは迷わず119番を!
呼びかけに反応しない、意識がぼんやりしている、けいれんが起きている——III度の症状が見られたら迷わず救急車を。待つ間も日陰や冷房のある場所へ移動し、首・脇・太ももの付け根を冷やし続けてください。
「まだ大丈夫」をやめる5つの習慣
のどが渇く前に飲む
1日1.2〜1.5リットルを目安に、こまめに水分補給を。発汗が多いときはスポーツドリンクや経口補水液も有効です。
室内でも冷房を使う
「もったいない」と我慢しないことが大切です。室温が28℃を超えたらエアコンや扇風機を積極的に活用しましょう。
正午〜15時の外出を避ける
気温と日射が最も強い時間帯です。外出する場合は日傘・帽子・通気性のよい服装で、日陰を選んで歩きましょう。
「もう少し」で無理しない
作業や運動の途中でも、定期的に涼しい場所で休憩を。疲れを感じたらそれが熱中症のサインです。
体調が悪い日は特に注意
寝不足・二日酔い・風邪気味のときは体の調節機能が低下しています。そんな日は特に無理をしないようにしましょう。
高齢者・子どもは周りが気にかけてあげましょう
高齢者は暑さを感じにくく、口渇感も鈍くなるため、自分では気づかないうちに脱水が進むことがあります。乳幼児も体温調節機能が未発達で、地面に近い位置にいるため照り返しの影響を受けやすいです。持病(糖尿病・心疾患・腎臓病など)のある方、利尿剤を服用中の方も一般の方より重症化しやすいため、周りの方が声をかけて様子を見てあげることが大切です。
もし症状が出たら
- 涼しい場所(日陰・冷房のある室内)へ移動させる
- 衣服をゆるめ、首・脇・太ももの付け根を冷やす
- 意識があれば少しずつ水分を補給する(経口補水液が理想的)
- 意識がない・嘔吐がある場合は水を飲ませず、迷わずすぐに119番へ
「様子を見ていたら悪化した」というケースは少なくありません。「まだ大丈夫」は危険です。「ひょっとして」と思った場合は当院へご相談ください。必要に応じて点滴治療、または救急病院への搬送の判断をすることも可能です。
