頭痛
頭痛は日常生活の中でも非常に身近な症状であり、実に日本人の4人に1人が何らかの頭痛を抱えていると言われています。
「あ、これから頭痛くなりそうだな」
「いつもの頭痛だな」
「何だかいつもの痛みと違って不安だな」
頭痛の感じ方はさまざまですが、多くの場合は命に関わらない「慢性頭痛」です。
しかし、中には緊急対応が必要な頭痛もあるため、正しい診断が大切です。
ここでは、頭痛の種類や当院で導入予定のCT検査を活用した診断の重要性についてご紹介していきます。
頭痛には大きく分けて2種類ある
頭痛は、次の2種類に分類されます。
1. 一次性頭痛
脳や体の重大な病気が原因ではなく、日常生活の中で繰り返し起こる頭痛です。
頭痛の90%以上がこれにあたり、命に関わることはほぼありませんが、日常生活の質を著しく下げることもあります。
2. 二次性頭痛
脳出血や腫瘍、感染症などが原因で引き起こされる頭痛です。
早急な診断・治療が必要な場合があります。
一次性頭痛
主に、3つの頭痛があります。
① 緊張型頭痛
肩こりなど、筋肉の緊張から生じる、最も一般的な頭痛です。
一次性頭痛の70〜80%が緊張型頭痛と言われています。
近年は、スマートフォンやパソコンの長時間使用により増加傾向です。
原因
- ストレス
- 長時間のパソコン・スマートフォン操作
- 姿勢の乱れ、肩こりや首の筋肉の緊張
症状の特徴
頭全体が「締め付けられる」「帽子をかぶったように重い」のように表現されます。
吐き気や視覚異常は生じず、日常生活は何とか過ごせる程度の痛みです。
対処法
休息、ストレッチ、温めて血流を促し筋肉をほぐすこと、姿勢を正すことが有効です。
市販の鎮痛剤で有効なことが多いです。
② 片頭痛
脳の血管が一時的に拡張することで起こる頭痛です。
20〜40代の女性に多く、約10〜20%の人に見られます。
日常生活に支障が出るような強い痛みになることがあります。
原因
- ホルモンの変動(生理など)
- 睡眠不足、過眠
- 空腹、特定の食べ物の摂取(チョコレート、ワインなど)
- 天候や気圧の変化天候や気圧の変化
- 強い光や音
症状の特徴
ズキズキと脈打つような痛みで、片側に生じることが多いのが特徴です。
発作の前兆で「光がチカチカ見える(閃輝暗点)」ことがあります。
吐き気・嘔吐や、光・音に過敏になることもあります。
対処法
悪化する前に、静かな暗い場所で安静にする、目を瞑る。
頻度が多い場合は予防薬の検討が必要です。専門薬の頓服も有効です。
③ 群発頭痛
一次性頭痛の0.2―0.4%程度と非常に少ないですが、「非常に強い痛み」を伴う頭痛です20〜40代の男性に多くみられます。
原因
明確な原因は不明ですが、自律神経の異常や脳の視床下部の関与が考えられています。
アルコールや喫煙が誘因となることもあります。
痛みの特徴
特に夜間や早朝に、目の奥やこめかみに非常に激しい痛みを感じるのが特徴です。
「目の奥をえぐられるような痛み」などと表現されます。
発作は一定の期間(1〜2ヶ月)に集中し1日1〜2回繰り返され、「群発期」と呼ばれます。
対処法
一般的な鎮痛薬は効かないことが多く、酸素吸入や予防薬などが必要です。 節酒や禁煙も重要です。
二次性頭痛
脳やその他の疾患が原因で引き起こされる頭痛で、早急な診断と治療が必要である場合があります。
代表的な疾患を以下にあげます。
- くも膜下出血
- 脳出血
- 髄膜炎
- 脳腫瘍
普段の頭痛と異なる強い痛み、急激に発症、発熱や意識障害を伴う場合は、このような疾患が隠れている可能性もあります。
CT検査の有用性
脳出血や脳腫瘍などは、CT検査によって苦痛なく、かつ短時間で精査を行うことができます。命に関わる病気を見逃さないためにも、CTを活用した早期の評価がとても重要です。
当院ではCT検査を導入予定であり、必要と判断した場合は検査を行い、これらの重篤な疾患を早期に見つけることができます(治療が必要と判断した場合は、専門病院への紹介をさせていただきます)。
頭痛で不安を感じたら
日常的な頭痛でも、生活に支障をきたしている場合や、いつもと違う頭痛を感じた場合は、自己判断せず、ぜひ1度当院にご相談ください。