不整脈とは
「ドキドキする」「脈が飛ぶ」「急に苦しくなる」「息が吸いにくくなることがある」
そんな症状を感じたことはありませんか? それはもしかしたら、不整脈の症状かもしれません。
不整脈は誰にでも起こり得ますが、軽いものから命に関わるものまで種類があり、早めに精査を行うことが重要です。
ここでは、不整脈とはどの様な病気なのかを解説していきます。
不整脈とは?
不整脈とは、心臓の拍動リズムが乱れる状態です。
心臓は、心臓の中を電気の信号が伝わることで動いています。 心臓の中にある「発電所(洞結節)」で生まれた電気が「電線(刺激伝導路)」を伝わり「中継点(房室結節)」を経て、心臓全体に伝わることで規則正しく拍動しています。
この「発電所」、「電線」、「中継点」のどこかに不具合が起きると、心臓の拍動が速くなったり遅くなったり、不規則になったりします。
不整脈の症状
不整脈の症状には以下のようなものがあります。
- 動悸(ドキドキする)
- 脈が飛ぶ、乱れる感じがする
- 息切れ、呼吸が苦しい、呼吸がしにくい
- めまい、ふらつき
- 失神、意識消失
これらの症状が頻回に起きる場合は、早めに循環器内科での精査が必要です。
不整脈の原因
不整脈はさまざまな要因で起こります。
- 加齢
特に心房細動は高齢者に多い代表的な不整脈です - 高血圧・心疾患
心臓に負担がかかりやすくなることで不整脈が起きやすくなります - 甲状腺疾患・糖尿病
ホルモン異常により心拍数に影響します - ストレス・疲労・睡眠不足
自律神経ば乱れることで不整脈を誘発します。 - カフェイン・アルコールの過剰摂取
心拍数を速くし、心臓を刺激します。
これらのように、生活習慣の改善で予防できるものもありますが、背景に重大な疾患が隠れていることもあります。
不整脈の種類
不整脈は大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます
①脈が不規則に打つ(脈が飛ぶ、乱れている)
例:心房細動、期外収縮
「期外収縮」は健康な方でも起こる不整脈ですが、持続する場合は要注意です。
「心房細動」は脳梗塞や心不全を引き起こす不整脈で、特に高齢者に多く治療が必要です。
②脈が極端に遅い(徐脈性不整脈)
例:房室ブロック、洞不全症候群
脈が遅いことで、めまいや失神を起こすことがあります。重症例ではペースメーカー治療が必要です。
③脈が極端に速い(頻脈性不整脈)
例;心室頻拍、発作性上室頻拍
動悸や息切れとして自覚することが多く、持続すると心不全や突然死につながる危険性があります。
不整脈の検査
不整脈の確定診断には心電図検査が必須です。
ただし、不整脈が出現しているときに心電図を施行しないと、正確な診断が行えないので、タイミングも重要です。
12誘導心電図
外来でまず行う基本検査ですが、短時間の記録です。
ホルター心電図
24時間記録できる心電図です。携帯式の小型の心電計を装着した状態で日常生活を過ごしていただきます。
長時間の観察が行えるため、発作を捉えやすい利点があります。
血液検査
甲状腺疾患、糖尿病など、不整脈の原因となるような病気がないかを確認します。
心臓超音波検査
心臓の形態や動きを確認します。
不整脈の治療
不整脈の種類や重症度によって、治療法は異なります。
生活習慣の改善
頻度がかなり少ない様な場合は、生活習慣の見直しのみで改善することもあります。
例:禁煙、摂取、カフェイン制限、規則正しい生活
薬物治療
β遮断薬など抗不整脈薬の内服にて、不整脈をおさえます。
抗不整脈薬は副作用もあるため、専門医による診察・処方が望まれます。
カテーテルアブレーション
不整脈は薬物治療でも抑えきれないことがあります。
その場合、不整脈の種類によっては、カテーテルにて異常な電気回路を焼灼(アブレーション)する治療を行います。
必要と判断した場合は、この治療が行える医療機関に紹介させていただきます。
ペースメーカー
徐脈性不整脈で、変化が不可逆的と判断された場合は、人工的に脈を補うためにペースメーカーを留置する手術が必要です。
必要と判断された場合は、この治療が行える医療機関へ紹介させていただきます。
まとめ
不整脈には、放っておいてもよい軽症のものから、命に関わる重症なものまであります。
些細な症状でも、ときには心臓からの重大な病気のサインであることもあり、気になる症状がある方、家族に心臓病の人がいる方は、早めに循環器内科を受診しましょう。
当院では循環器専門医が血液検査、心電図、心臓超音波検査などを行い、不整脈の正確な診断と治療を提供しています。
何かお困りのことがあれば、お気軽に当院にご相談ください。