動悸とは

動悸とは、心臓の鼓動が普段と異なり、速くなったり、強くなったり、乱れている、などと感じる状態のことです。

「ドキドキする」、「バクバクする」、「脈が飛ぶ」といったような表現をされることが多いですが、感じ方は人それぞれです。

動悸を感じたらチェックしてみよう

動悸を感じた際は、下記の項目をチェックしてみましょう。

また、自身で手首の脈を触れてみることが非常に有効です。

  • ・脈拍数が速いか、遅いか、正常か
  • ・脈拍は規則的か、不規則か
  • ・持続時間はどのくらいか
  • ・どんな症状か
  • ・動悸以外の症状があるか
  • ・どんな時に起こるのか

これらを問診時に伝えていただけると、診断に非常に有用な情報となります。

動悸を感じたら受診するべき?

日常的に感じることがある、軽い動悸の場合はあまり心配ないことが多いですが、以下のような動悸症状は受診をお勧めします。

突然強い動悸が出現する、長時間持続する

不整脈の多くは、出現していない時は症状がありませんので、急に動悸を自覚した場合は不整脈の可能性があります。一瞬「どきっ」とするようなものはあまり心配ない不整脈の可能性がありますが、数十分以上動悸が持続する場合は精査が必要です。

・動悸以外にも症状がある

動悸以外に症状を伴う場合は、心臓や呼吸器疾患の可能性などがあり、早めの受診をお勧めします。

  • 息切れ
  • 冷や汗
  • ふらつき
  • 胸痛など

症状が強い、頻繁に起こる

頻繁に動悸を自覚することで仕事や日常生活に支障をきたしているような場合は、一度受診し精査をお勧めします。

動悸の原因

動悸の原因として大きく分けると、心疾患によるものとそれ以外の病気、そして日常生活が要因として出現するものがあります。それ以外のものに分けられます。

心疾患による動悸

心疾患による動悸は、不整脈によるもの、不整脈以外の心疾患に分けられます。

不整脈

不整脈とは、心拍が突然不規則になったり、異常に速い(頻脈)または異常に遅い(徐脈)の状態です。不整脈が出現している時のみ症状が出るため、突然発症であることが多いです。

不整脈の中にも、治療すべきものもあれば、治療しなくても良いものもあり、鑑別が必要となります。

不整脈以外の心疾患

心不全、心筋梗塞など、心臓そのものに問題が生じた場合にも動悸を生じることがあります。このような場合は、息切れ、呼吸困難、胸痛などのように、動悸以外の症状を伴うことが多いです。緊急性が高い場合があり、すぐに医療機関に相談しましょう。

心疾患以外の病気

心疾患以外でも動悸を自覚することがあり、その原因に対する治療が必要となるため鑑別が必要です。

肺疾患

肺の機能が弱っていると、少しの運動で息があがりやすく、心拍数も上がり動悸を自覚することがあります。ヘビースモーカーの方は肺が弱っている可能性もあり、鑑別が必要です。

貧血、脱水

血液中の酸素を運ぶ血液が少なくなり血圧が低下するため、心臓が代償して心拍数を速くします。

感染症

細菌やウイルスに感染したりすると、発熱と一緒に心拍数が上昇し、動悸を自覚することがあります。

甲状腺機能亢進症

身体の代謝を促進する甲状腺ホルモンの分泌が過剰になると、心拍数が速くなります。

更年期障害

更年期の女性では、ホルモンバランスの変化により、特別な病気がないにもかかわらず動悸を自覚することがあります。

日常生活が原因となる動悸

日常生活の行動から動悸が起きてしまうこともあります。

緊張、運動

緊張や運動中に心拍数が上がります。終了した後に元に戻るのであれば心配はありません。

カフェイン

カフェインには心拍数を上げる作用があります。そのためコーヒーなどを過剰に摂取していると動悸が起こりやすいことがあります。

アルコール摂取

アルコールが分解されて発生する「アセトアルデヒド」という物質が交感神経を活性化させ、心拍数が上がります。この効果は数時間から24時間程度持続し、アルコールに弱い方や大量飲酒した場合、翌日も脈が速くなりがちです。

またアルコール自体が不整脈を起こしやすくする一因でもあり、注意が必要です。

ストレス、疲労、睡眠不足

ストレスや睡眠不足も、自律神経のバランスが崩れて交感神経の活性が更新するため、血圧や心拍数の上昇を引き起こします。だるさや不安感など、自律神経失調の症状が出現しやすくなります。

必要な検査

心電図

不整脈を診断する直接的な検査となります。またその他に心臓の異常がないかを調べます。

ホルター心電図

24時間心電図を記録し、普段の生活の中で動悸が起こる原因を調べます。

症状が出現した際に不整脈も見られていれば、不整脈が動悸の原因となり、一致していなければ別の原因の可能性があります。

胸部レントゲン

心拡大や肺疾患の有無を調べます。

血液検査

貧血や甲状腺ホルモンの異常がないかなど、不整脈以外の原因を調べます。

心エコー

動悸の治療

動悸の治療はその原因によって異なります。

まずは動悸の原因をしっかり診断することが重要となりますので、不安を感じた場合は早めに検査を受けて原因を特定することが必要です。

動悸の症状でお困りの際は是非ご相談ください。